ビデオ計測のアプローチ #1

Experience Cloud ベストプラクティス

オンラインで商品やアプリなどを購入するとき、商品の説明ページには使用方法などを説明するビデオがあると、購入後のイメージがつきやすくて良いですよね 。

USで行われた調査によると、特にモバイルでの視聴が急激に伸び、オンラインビデオの成長が続いているという結果(*1)も出ています。
*1 The US Digital Video Benchmark (Adobe Digital Index)

個人的には同じような製品であれば、ビデオでの説明がある製品の方に気持ちが傾きます。 一般的にはビデオコンテンツを提供することで下記のような効果があると言われています。

  • コンバージョンの増加
  • 売上の増加
  • 滞在時間の増加
  • 電話による問い合わせ不可の減少
  • SEO効果

このようなメリットはあるものの、ビデオコンテンツは文章や画像のコンテンツに比べて制作コストがかかりますので、その分「最適化」が重要になってきます。「最適化」の第一歩として、まずは動画の効果を計測することから始める必要があります。

では、具体的に「最適化」の為の動画計測では、どのような指標を取れば良いのでしょうか?

今回はアドビのコンサルタントでビデオ計測のエキスパートである Marijka Engel が、ビデオ計測の導入から分析までのポイントを US のブログに掲載していますので、ご紹介します。

尚、昨年10月からAdobe Analyticsで、新しいビデオレポートの提供が始まりました。これまでの計測方法とは異なる ハートビートトラッキング(Heartbeat Tracking) という方法で計測できるようになりました。
このハートビートトラッキングでは、課金体系が再生時間(30分単位)に変わります(コール数での課金は発生しません)。
※ 現在、コール数ベースでの計測を行われている場合、計測方法を変更しなければ、課金体系、レポート共に変更はありません。

今回は、Marijka の記事に、新しい計測方法ではどのように変わるかを織り交ぜながらご紹介します。

なぜビデオ計測が重要なのか

この記事では、現在、ビデオコンテンツは、以下の様な理由により基本的な計測対象のコンテンツの1つとなっていることを説明しています。

  • ビデオコンテンツは収益に結びつくが、コストもかかる。従って分析、最適化することが重要
  • ビデオの計測・分析を他のコンテンツの計測・分析とは別に行ってしまうと、ビデオコンテンツの影響力を知ることが出来なくなってしまう。従って、他のオンラインコンテンツの分析と共に行うべきである

Marikja はビデオのデータを他のオンラインコンテンツのデータと共に分析することによって、ユーザエクスペリエンス向上や広告プロモーションの成功の一端を担うことができるようになると述べています。

ビデオ計測の重要性がわかったところで、それではどのようなデータを計測すれば良いのでしょう? まずは計画を立てるところから始めましょう。それには次の記事が参考になります。

ビデオ計測も他のコンテンツの計測と同様に、計画をたてる際、”Whats(何を)” “Whys(なぜ)” “Hows(どのように)” を定義するところから始めます。この記事では “Whats” “Whys” について説明しています。
またビデオ計測の計画・設計はプラットフォーム(e.g., Web, App, etc.)に関わらないものにすることも大切です。

What: マイルストーンと計測の頻度

サーバコール型の計測を行う場合、動画の計測では定期的にサーバコールを発生させる必要があるため、これらのコスト(=Sever Call)を考慮しながら、どのくらいの間隔で計測するかを決定する必要があります。

マイルストーンのタイプ:
ビデオ再生開始から一定期間ごとに計測するマイルストーンには、2つのタイプがあります。

  • パーセンテージ: ビデオの長さ、再生開始のポイントがわかっている時はこちらを選びます。これによりビデオがどのくらい(の長さ)見られているかがわかります
  • 経過時間: ビデオの長さ、再生開始のポイントがわかっていない時はこちらで計測します(例: ライブストリーミング)

マイルストーンを決める時のポイント:
ビデオのタイプによって、適切なマイルストーンは違ってきます。

  • 短い VOD (Video On Demand)
    • 短いビデオであれば、開始と終了、そしてオプショナルで中間地点をマイルストーンにするのが良いでしょう。例えばすべてのビデオが大体 1 分程度のものならば、50% をマイルストーンにします。25秒くらいのものであれば、開始と終了だけで良いでしょう
  • 長い VOD
    • 長いビデオは途中で離脱する率が高まるので、0%, 25%, 50%, 75%, 100% を計測するのが良いでしょう。さらに加えるなら、10%, 90% を入れれば、開始直後、エンドロール時の離脱を見ることもできます
  • ライブストリーミング
    • ライブの場合は、再生開始直後は細かい粒度で時間を計測するのがお勧めです。ユーザの行動としては、すぐに視聴をやめる人、またはずっと最後まで見続ける人、というパターンが多いと考えられます。そこで一般的には、再生開始、30秒, 1分、2分、3分、4分、5分、その後は 5分刻みで計測します。丸1日などの長時間のライブストリーミングの場合は、5分刻みのところを10分や30分にしても良いでしょう

※ 新しいビデオレポートでは、マイルストーン形式から Heartbeat Trackingというストリーム方式の計測方法に変わります。10秒ごとにリクエストを送信することにより、より正確な再生時間を計測できるようにするものです。この方式では、コール数単位の課金ではなく、再生時間30分ごとの課金となります (詳細は担当営業またはアカウントマネージャーまでお問い合わせください) 。

Why: メタデータとコンテキスト

マイルストーンと計測頻度を決めたら、なぜビデオを計測するのか、またどのようなデータがあなたのニーズに合うのかを定義します。そこで必要となるのがメタデータと(ビデオ再生の)コンテキストです。

メタデータとは:

  • ビデオに関するデータ
  • 基本データ: タイトル、ID
  • その他のデータ: タグ、出演者、季節、など

コンテキストとは:

  • いつ、どこでビデオが再生されたか
  • ページ、アプリの名前、セクション、キャンペーン
  • ソーシャルネットワークでシェアされたかどうか

なぜそのメタデータ、コンテキストを計測するのかを考え、これらが定義できたら計測マップとして、以下の様なシンプルなシートを作成します。

ここまで来たら、次は実装と分析 (Hows) です。それらについては次回ご紹介します。

参考情報:


筆者:常泉 正志 アドビ システムズ株式会社 コンサルティング部コンサルタント

クレジットカード決済サービス会社、アフィリエイトサービス事業会社を経て 2012年より現職。コンサルタントとして、Adobe Marketing Cloudでの分析/最適化にあたり、対象となるウェブサイトやアプリケーションで使用している技術に合わせた導入の支援を行なっている。

POSTED ON 2014.04.22