ビデオ計測のアプローチ #2

Experience Cloud ベストプラクティス

前回の記事では、なぜビデオの計測が重要なのか、またどんな項目を計測するのか、といった内容をご紹介しました。

その続きとして今回は、どのように計測するのか、という点をご案内します。

ビデオ計測の実装

ビデオにはいろいろなフォーマットが有りますが、この記事ではビデオ計測を実装するにあたり、ビデオの種類に関わらない、ビデオ計測共通の概念について説明しています。実装の準備として、前回の記事にある計画の他に以下のような作業が必要になります。

  • ライブラリ(Media Measurement)の入手
    • ビデオ計測に必要な機能を提供するライブラリ (経過時間や再生、ストップなどを計測する機能)。ライブラリは現在、プラットフォームによって提供方法が異なります。
    • Javascript: カスタマーケア、または担当コンサルタントへご連絡ください
    • Flash: AppMeasurement に同梱されています。コードマネージャから取得してください
    • Smartphone: AppMeasurement に同梱されています。Developer Connection から取得してください
  • プレイヤーのマッピング
    • 対象となるビデオプレーヤーに Media Measurement を紐付けます。これによってライブラリが再生などのイベントを検知することができるようになります
  • 変数のマッピング(※)
    • 再生や一定時間経過時などに計測する値を、どの変数に紐付けるかを定義します。基本的なトラッキング、またはカスタマイズする事が可能
    • 基本: マイルストーン, 再生時間, ビデオ名, セグメント名, 経過時間
  • 実装後のテスト
    • Charles, Fiddler, Chrome dev tool, Firebug などで、HTTPリクエストをキャプチャして、設定した変数が送られているか確認します
  • レポートスイートの設定
    • テストしてリクエストが送られていることを確認できたら、レポートスイートの設定を行います

※ 新しいビデオ計測では、実装側での変数のマッピングは必要ありません。

HTML5とFlashのビデオ計測についての具体的な実装方法については、以下の記事が参考になります。

ビデオ計測の設定

レポートスイートの設定については、いくつかのポイントがありますが、まずは計測計画として作成したシートを基に、変数マップを作ります。

以下のポイントに注意して管理ツールからレポートスイートの設定を行います(権限がない場合はカスタマーケア、または担当コンサルタントにご連絡ください)。

  • トラフィック変数の「ビデオ」はパスを有効にします
  • プレイヤー名などの値は、Context Data で送られますので、必要に応じて処理ルール (Processing Rule) を設定します

※ Processing rule を設定するには、テストに合格してカスタマーケアに連絡する必要があります

  • 管理ツール > ビデオ管理でビデオレポートの設定をします
  • レポートスイートに変数設定がされていないと機能しないので、必ず事前に確認してください

※ 新しいビデオレポートでは、あらかじめ用意された変数(ソリューション変数)を使用することができます(設定は自動で行われます)。ただし既にビデオレポートを使用されている場合、変数設定を変更すると過去のデータが参照できなくなりますので、移行の際はソリューション変数ではなく、カスタム変数を使用して今までの設定を引き継ぐようにします。

ビデオレポートでの分析

計測を開始してデータが蓄積されたら分析を行います。分析する際には、次の3つのポイントを意識することが重要です。

  • どの程度ビデオが見られているか (視聴数、再生時間)
  • 誰が見ているか (訪問者、訪問)
  • なぜ見られているか (コンテキスト)

まずビデオレポートで見るべき指標は以下のようなものとなります。

基本的な指標:

  • ビデオビュー
  • ビデオの閲覧時間
  • 訪問回数
  • 訪問者数

計算指標 (推奨):

  • ビデオビュー / 訪問回数
  • ビデオビュー / 訪問者数
  • ビデオの閲覧時間 / 訪問回数
  • ビデオの閲覧時間 / 訪問者数
  • ビデオの閲覧時間 / ビデオビュー

計算指標にこれらを設定することで、同じ閲覧時間でも、人気はあるが短時間しか見られていないのか、人気はないが長い時間見られているのか、などを識別することができます。

また、この記事ではビデオがなぜ見られているのか(コンテキスト)を知るための例として、以下の4つのレポートを例にあげています。

  • キャンペーンレポート x ビデオ関連指標 (どのマーケティングチャネルがビデオの視聴に貢献しているか)
  • 参照ドメインレポート x ビデオ関連指標 (どのサイトから流入した訪問者がよく、または長くビデオを見ているか)
  • デバイスタイプ
  • 地域

そして、サイト内でのビデオの影響度はどのくらいあるのかを見るためには、ビデオ関連のセグメントを作って分析します。以下の4つのセグメントが推奨されています。

  • ビデオを見た訪問
  • ビデオを見ていない訪問
  • ビデオを見た訪問者
  • ビデオを見ていない訪問者

Adobe Analyticsに含まれるReport & Analytics (旧 SiteCatalyst) のダッシュボードでは、1つのダッシュボードで複数のセグメントを指定できるので、これらのセグメントを設定したレポートレットを作っておくと便利です。

ビデオコンテンツは、テキストや画像のコンテンツよりも、製品やサービスについて多くの情報をわかりやすく伝えることができます。一方で制作に大きなコストが掛かります。効果的に使用するために分析、最適化は不可欠です。今回ご紹介した記事が、アクションにつながるビデオコンテンツの分析へのヒントとなれば幸いです。

参考情報:


筆者:常泉 正志 アドビ システムズ株式会社 コンサルティング部コンサルタント

クレジットカード決済サービス会社、アフィリエイトサービス事業会社を経て 2012年より現職。コンサルタントとして、Adobe Marketing Cloudでの分析/最適化にあたり、対象となるウェブサイトやアプリケーションで使用している技術に合わせた導入の支援を行なっている。

POSTED ON 2014.04.24