仕事のエクスペリエンスをさらなる成果につなげるコツ

Experience Cloud

アドビのコンサルタントが語る“My Experience”

アドビのコンサルタントが、仕事や暮らしのなかで大切にしているエクスペリエンスについて語ります。今回はグローバル サービス統括本部 プロダクトエバンジェリスト兼シニアコンサルタントの安西敬介が、「仕事のエクスペリエンスをさらなる成果につなげるコツ」について話しました。

聞き手:フリーライター 岩崎 史絵

実は知られていないアドビの高いコンサルティング力

安西さんは、アドビのプロダクトエバンジェリストであり、シニアコンサルタントとしてご活躍されています。プロダクトエバンジェリストとしては、イベントなどで製品やソリューションについてお話しされていますが、今回はコンサルティングサービスについて、ご経験をもとに、具体的な内容をお伺いしたいと思います。

安西 ツールベンダのコンサルタントというと、どうしても「道具の使い方を教えるだけ」になりがちですよね。でも、アドビのコンサルティングチームは違います。「クライアント企業にどう価値を伝えられるか」「クライアント企業の先にいる“お客様”に、どう価値を与えられるか」を考えながらサービスを提供しているので、サービス内容は一般的な戦略系コンサルティングファームに近いところまでやっています。実際、しっかりした戦略を実現するために、組織のカルチャーや業務を変えることもありますし、アドビ独自の「組織成熟度評価」のフレームワークに基づいて、戦略組織としての成熟度を測ることもあります。

大変失礼ながら、非常にしっかりしたコンサルティングサービスということに感心しました。これまで、さまざまな企業と関わってきた経験(エクスペリエンス)のなかで、とくに印象に残っているエピソードを教えてください。

安西 いくつかあるのですが、大手金融会社さんについてお話ししましょう。この金融会社さんは、導入時から現在に至るまでいろいろなサポートをさせていただいています。もうすこし具体的にいうと、「カード利用者を拡大したい」という大きな経営課題に対し、私たちは「その経営課題に、デジタルでどうサポートできるか」を考えてさまざまな提案を行っています。

その会社さんが製品を導入したばかりのころ、役員の方から「アドビ製品を最大限活用して、webサイトをリニューアルしたい」というご相談を受けました。リニューアルというと、ふつうならホワイトボードに現状の課題を書き出して、コンセプトを考えて、机上でデザインをつくってツールに落とし込みますよね。

その会社さんも、以前はそういうやり方でしたが、せっかくアドビ製品を入れたのだから、まずデータをしっかり分析して課題を発見し、そこからコンセプトに落とし込んでいきました。わかりやすくいえば、「データに基づき、ロジカルに考えていきましょう」という提案をしたのです。

すごい(笑)

安西 金融会社の部長さんは、このサイトリニューアルが非常に評価され、社長賞を取ったそうです。その方自身がデータドリブンのやり方に賛同し、ほかの関係部署とも積極的に調整して、企業自体のカルチャーが「ロジカルな戦略型組織」に変わっていきました

いまでもこの部長さんとはLINEでやり取りすることがあるのですが、先日も改めてお礼のことばをいただいたのです。「ここまで社内文化を変えながら成長できたのは、アドビさんのおかげです」と。そういう話を伺うと、とてもうれしいですね。

アドビ独自の「組織成熟度評価」が生まれた理由

「組織成熟度評価」など、しっかりしたコンサルティングフレームワークをお持ちのことに、正直おどろきました。

安西 ある流通系銀行さんの場合は、定期的にこの評価表をお渡ししていますよ。先日、うちの社内メディアの取材でお伺いした時に、「これは私にとっての通知表です」とおっしゃっていただいて、これもハッピーな出来事でしたね。

この銀行さんは、コンサルティングでお伺いするようになって1年経ったときに、関西にある本社の役員の方に呼ばれて、先方の担当者とご一緒に出張したことがあります。はじめは緊張しました(笑)。

どんな用件だったのですか?

安西 中長期計画を共有するので、「これに合わせたデジタル戦略を提案してほしい」という内容でした。それまでは、やはりツールベンダのコンサルタントと捉えていたのかもしれません。でも、1年間コンサルティングさせていただくなかで、「ツールの枠を超えて、戦略を相談できる」という信頼関係を築けたのだと思います。非常にうれしいエクスペリエンスでした。

そうしたコンサルティングのノウハウは、グローバルで統一されているのですか?

安西 組織成熟度評価でいえば、もともと私がつくったものです。会社としては、プロダクトの成熟度を測るフレームワークはありますが、組織という観点で成熟度を測るものは、日本のアドビオリジナルです。つくったのは数年前ですが、いまもチームのスタッフが現場で使っていますよ。

ええっ、どういうきっかけでフレームワークを開発したのか教えてください。

安西 年末年始の休暇が暇だったから……(笑)というのは冗談ですが、休暇期間に考案したことは本当です。以前から「こういうフレームワークがあると、コンサルティングをする時に役立つな」と思っていました。そこで年末年始に思い切って関連書籍を数十冊読み、そこに自分のエクスペリエンスで得たノウハウを融合して開発したのです。

私のエクスペリエンスでいうと、最初は航空会社のシステム子会社で、オンライン予約システムやwebサイトを担当しており、その後デジタルマーケティングの世界に入って、コンサルタントとして実績を積んできました。日々の仕事や勉強を通じて学んだことに対し、何かしらアウトプットすることをいつも意識していますし、この組織成熟度評価もこうしたキャリアを経験したからこそ、生まれたものです。

だから、クライアント企業さんから「いまもこの評価を大切にしています」といわれることが、ぼくにとって最高の言葉です。

アウトプットを続けると、必ず仕事で役に立つ

アウトプットを意識しているという話ですが、具体的にどういうことをやっているのでしょうか。

安西 少し前になりますが、テーマを決めて、勉強会を主催していたことがあるのです。その時に、参加者の方にお願いしていたのは、「ブログでもTwitterでもいいので、勉強会で学んだことについて、感想でも何でもいいから、必ずアウトプットしてください」ということでした。私自身、2006年からずっとブログを書いているのですが、昔の記事を見ると、勉強会の感想をつづったものがたくさんあります。

自分が感じたことを、「感じた」だけで終わらせては、学びにはなりませんよね。そこから次につなげるためにも、何かしらの方法でアウトプットすることは、仕事をするうえでとても重要なことだと思います。

ブログを書くようになったきっかけは?

安西 自分が仕事のなかで学んだことや、資料類をどこかに保管したかったのです。当時はいまのようにクラウドサービスが充実しておらず、自分でサーバを立てて運用していたのですが、こうした情報をもっとわかりやすく外に出していこうということで、ブログを始めました。

当初は、勉強がてら感じたことを書いていただけでしたが、ある時、はてなブックマークで私のブログが「解析ブログ」と紹介されたんです。「そうかあ」と。そこで、そっちの方面を意識した記事を書く機会を増やし、リファレンスされることも増えてきたのですよね。

たとえば、サイトの概要や動線の全体像を把握する「ハイレベルサイトマップ」という概念があります。これは、いまではウェブ界で当たり前のように使われていますが、もともとは私が考案したんです。昔は詳細サイトマップしかなかったので、それだと解析が難しく、これを解決するために考え出したものなんですね。これをブログで紹介したら反響があり、いまでもたまにウェブ関連の媒体から、「リファレンスをたどっていったら、安西さんのブログに行き当たりました」といわれます。そんな縁で、「安西さんが考えたこの指標について記事を書いてほしい」などの依頼を受けることもありますよ。

あと、細かいことでいえば、講演で使う資料は、そのたびに新しいものをつくっています。使い回しはしません。内容を更新したり、ポイントを整理したり、新しい情報を追加するなど、必ず最新のアウトプットにするようにしています。情報や考え方を整理することは、コンサルティングの現場でも役に立つんですよ。

講演というエクスペリエンスで学んだこと

アウトプットということでいえば、安西さんは大きなイベントで講演する機会も多いですよね。

安西 そうですね。講演するようになったのは、前職の航空会社時代に、ベンダ主催のセミナーで「やってみないか」と誘われたことがきっかけです。最初は緊張しましたが、いまはもう、「200人を越えたら何人でも同じ」という心境ですね。逆に、少人数の前で話す方が緊張します(笑)。

昨年の「Adobe Symposium 2017」では、杉村太蔵さんとマーケティングについて語り合いましたね。なかなかの評判でした。

安西 杉村さんは「どうしたら、わかりやすく伝えられるか」をとても真剣に考えていらして、最初の打ち合わせでも「それは、こういうことに置き換えられますか」「視点を変えて見ると、これと同じことですか」など、質問がどんどん飛んでくるのです。そのため当日は、打ち合わせの内容を踏まえて杉村さんに任せるようなプロセスにしました。

これは私にとっても、いいエクスペリエンスになりました。お客様に、どう伝えればいいのか、どう表現すればわかりやすくなるのかについて、見直す良いきっかけになったと思います。

そうして学んだことが、またアウトプットとして生かされるわけですね。

安西 そうですね。アウトプットといっても、ブログや講演だけでなく、現場の仕事で発揮することも大切なアウトプットです。

おもしろいことに、情報はいろんな人に公開すると、いろいろな方からさらに新しい情報が寄せられるんですよ。だから仕事の現場においても、ブログなどでも、恐れずに考えや提案を積極的に出していくようにしていますし、これからの若い人にも「そうしたエクスペリエンスを積むように」と常にいっています。

今回、アドビのコンサルティングサービスや、仕事のエクスペリエンスについてお聞かせいただき、ありがとうございました。デジタルマーケティングのコンサルタントの方なので、難しい横文字がたくさん出てくるインタビューになるかと少し心配でしたが(笑)、とてもわかりやすく面白かったです。

安西 ありがとうございます。何かあれば、アドビの製品はもちろん、コンサルティングサービスについていつでもお話ししますので、ご遠慮なくご連絡ください。

POSTED ON 2018.03.2

Products Featured

関連製品はありません

Tags

タグはありません